生ハーブを食卓へ!たった2人から始まったハーブ事業部の歩み

こんにちは。SPICE&HERB COMMUNITY事務局です。
スーパーの青果売場などでエスビー食品のフレッシュハーブ商品に出会ったことがある方は多いかもしれませんが、実はホームセンターではハーブ苗の販売も行っていることをご存じですか?ハーブ事業部では、2022年からハーブの魅力をさらに広めるべく、ハーブ苗の販売をスタートさせています。この取り組みには日本の食が多様化する中で、食事をもっと楽しんでほしいという事業部設立当時の思いが込められています。
「フレッシュハーブは簡単に使える上、食事がワンランクおいしくなる」と話してくれたのは、ハーブ事業部ハーブ供給ユニットの高橋健太郎さん。たった5種類のハーブの販売からスタートしたハーブ事業部の歴史やその活動、フレッシュハーブの魅力などについて話を聞きました。

ハーブ事業部
ハーブ供給ユニット
高橋健太郎さん
ハーブ事業部で新規産地の開拓や、契約農家のJGAP取得サポートなどフレッシュハーブの供給と品質管理の業務に従事。現在は沖縄・山梨の産地を担当しつつ、10年以上にわたるハーブ事業におけるキャリアと、スパイス&ハーブマスター資格取得者としての深い知識を活かして事業拡大に努める。
■生のハーブのおいしさを届けたい!ハーブ事業部の挑戦

1986年に始まったエスビーのハーブ事業部は、実はたった2人の社員で立ち上げられた事業部でした。当時、日本では料理向けの生のハーブは普及しておらず、都心の限られた店舗にしか流通していないものでした。ドライハーブを既に取り扱っていたエスビー食品では、食の多様化が進む日本で生のハーブのおいしさを広めたいと、フレッシュハーブの流通がほとんどない中で新しい挑戦を始めました。
高橋さん「そもそも当時の日本ではハーブを栽培している農家さんがほとんどいなくて、契約農家さんを見つけることに大変苦労したと聞きます。立ち上げメンバーの2人の話では、どの農家さんも『ハーブって園芸用でしょ?』という認識で、食べるイメージがなかったといいます。当時、いち早くハーブ栽培に着手していた千葉県の農家さんにまずはご協力いただき、1987年からフレッシュハーブの販売が始まりました」
グルメトレンドに敏感な方や、海外でハーブを使った料理に触れた方など、一部の消費者のみが手にするものだったフレッシュハーブ。しかし1990年代にイタリア料理が流行したことなどで、認知度がぐっと高まり、日本の食卓にも生のハーブが急速に浸透していきます。

高橋さん「ハーブ事業部として生のハーブの使い方や魅力を伝える活動をしていましたが、一般の方の認識が大きく変わったのは、1990年代のイタリア料理の流行や2000年代のエスニック料理ブームだと思います。一般家庭でも利用されるようになり、スーパーでの取り扱いが増えました。近年ではコロナ禍に自宅で料理を楽しむ人が増えたことも、フレッシュハーブの需要がさらに高まった一因だと考えています」
事業部設立時に販売していたフレッシュハーブは、スィートバジル、セージ、タイム、イタリアンパセリ、ディルのたった5種類。ご協力いただける契約農家を徐々に増やし、現在は約30種類、品目数は約70 までフレッシュハーブの種類と品目数を広げることができました。ハーブ事業部では契約農家の方々の協力を得ながら、生のハーブのおいしさや香りをご家庭に届けられるよう日々取り組んでいます。
■契約農家と二人三脚のハーブ栽培で安定した供給を実現

ハーブ事業部の業務は、商品の企画から生産、資材の手配、物流、販売など多岐に渡ります。企画から販売までのすべての業務を一気通貫で担っており、「まるで小さな会社のような事業部」と高橋さんは話します。
高橋さん「契約農家さんのもとを訪れて安定的な栽培を進める供給ユニットのメンバーと、ハーブの使い方や売り方の提案を通じて販路を拡大していく営業ユニットのメンバーとが連携し、それぞれの役割でフレッシュハーブのさらなる拡大と浸透に力を注いでいます」
ハーブ事業部では資材に詳しいメンバーや、栽培に関する知識が豊富なメンバーなど各々が得意分野を持っており、プロフェッショナルな視点でフレッシュハーブの安定供給に向けた取り組みに励んでいます。かくいう高橋さんも実家が農家であり、幼いころから農業に触れてきた経験を持つメンバー。しかし、ハーブ事業部では毎日が勉強の連続です。
高橋さん「ハーブは生き物なので、思った通りに栽培が進まないこともあります。私が担当した山梨県のパクチー産地では、お客さまに商品をお届けするまでに傷みが出てしまって売り物にならないという問題に悩まされていました。その時は生産者さんと話し合って原因を考え、収穫に使用する道具の殺菌を徹底したり、収穫後の湿気対策に除湿器を導入したりするなど、できることをひとつずつ試しましたね。生産者さんと一緒に課題を乗り越えられたときは、本当にうれしかったです。試行錯誤した経験があるからこそ、生産者さんとの絆も深まったと感じています」
契約農家の方々は現場で日々ハーブと向き合っている農業のプロ。ハーブ事業部でも勉強会や、契約産地へ足しげく通うなどして、栽培における知見を広げる努力を惜しまないようにしています。農地の視察などを通して生産者同士の意見交換の場を設けたり、協力的な生産者の方々に新しい手法を試してもらって成功事例をつくったりなども、高品質なフレッシュハーブを世に送り出すためには欠かせない取り組みのひとつです。

現在、栽培委託契約を結んでいる農業法人や農業協同組合、個人農家は全国39カ所。季節による気候の変化や標高の違いなどを活かし、北海道から沖縄までハーブを途切れなく生産・出荷できるリレー生産を行い、1年を通じて安定的なフレッシュハーブの供給を実現しています。
■安心・安全な商品を届けるための独自の品質管理「エスビーGAP」

業界として早くからフレッシュハーブの販売に力を入れてきたエスビー食品。ハーブの安定生産とともに、とりわけ大事にしているのが安心・安全への取り組みです。ハーブの栽培から収穫、出荷までの作業工程に問題がないかをチェックするために、「エスビーGAP(ギャップ)」という生産工程管理を取り入れ、契約農家さんに実践してもらっています。
高橋さん「エスビーGAPは、日本における安全な農産物の生産や環境保全など持続可能な農業を考慮した管理手法『JGAP』のシステムをベースにした当社独自の基準です。例えば生産工程を見直し、衛生管理や異物混入のリスクはないかなどチェックできる項目を用意しています。商品の品質だけでなく、生産者さんが安全に作業できるかなどの視点からのチェック項目もあります」
エスビーGAPはエスビー食品の品質保証室や、品質管理の知識を持ったハーブ事業部のスタッフなどを中心に、事業部が一丸となって進めている取り組みです。これからも安心して食べられる質の良いフレッシュハーブを提供できるよう丁寧な品質管理を欠かさず行っていきます。

そんなエスビー食品のフレッシュハーブは、新鮮さと風味の良さが魅力。「お客さまには難しく考えずに、まずは使ってみてほしいですね」と高橋さんは話します。
高橋さん「私の一番のおすすめはディルです。細かく刻んでマヨネーズに混ぜるだけでも爽やかな香りとほろ苦さがプラスされ、まるで高級マヨネーズのような味わいになります! お子さんが好きなじゃがいもや乳製品とも相性抜群です」

もうひとつ高橋さんがおすすめしてくれたのは、山形県の郷土料理「だし」にパクチーを加えた「山形パクだし」のレシピです。ハーブは意外にも和食との相性も良いので、ぜひ試してみてください。
高橋さん「フレッシュハーブはドライハーブとは異なるフレッシュならではの力強い風味やみずみずしさがあり、味のアクセントになるので、料理を一段とおいしくしてくれます。初めて食べるハーブは、まずはレシピの分量より少ない量からお試しいただくのもいいですね。好みの風味や分量でお楽しみいただけたらと思います」
■ハーブのファンを増やしたい!新たに始めたハーブ苗の販売
ハーブに新たな付加価値を付け、より多くの人に魅力を知ってもらうため、2022年に始めたのが育てて食べられるハーブ苗の販売です。現在、バジルやローズマリーなど全15種類の商品を展開しており、より新鮮なハーブのおいしさや魅力を伝えています。
高橋さん「これまでホームセンターなどで販売されているハーブ苗は、食をイメージするものではありませんでした。育てて食べられるハーブ苗商品をきっかけに、これまで園芸でハーブに触れていた方に、食べる楽しみを感じてもらえたらうれしいです。逆にハーブを料理に使っていた方は、ハーブ苗で育てる楽しさを知ってもらえると思います」

まさに食品メーカーとしての強みと、ハーブ事業部が持つ栽培のノウハウを掛け合わせたエスビー食品ならではの商品。安心して口に入れられるよう、使う農薬にも気をつけています。
高橋さん「ハーブとひと口に言ってもさまざまな種類があり、個性があるので育てる時間もきっと楽しいと思います。例えばローズマリーは乾燥や寒さに強く、イタリアンパセリは春や秋の涼しい時期によく育ちます。コツを掴めばモリモリ育ってくれますし、複数の苗を育てれば1年中ハーブが楽しめ、『旬』を身近に感じられるはずです」
4~6月はちょうど園芸シーズンです。ホームセンターを訪れた際は、エスビー食品のハーブ苗にもぜひ注目してみてくださいね。
今後も安定的に、安心・安全な商品を届けるとともに、ハーブ苗のような付加価値を生み出す新しい市場を開拓して、ハーブ事業部はハーブの魅力を伝え続けていきます!

4月20日(土)には東京駅で開催される「駅からFARMing2024」のプロジェクトで、トッピングバジルの苗の無料配布を行います。トッピングバジルはコンパクトなサイズで育てやすいハーブです。葉が小さいのでトッピングに使ったり、香りの高さを活かしてジェノベーゼソースにしたりなど使い勝手も抜群! よろしければぜひお立ち寄りください。
■高橋さんから、SPICE&HERB COMMUNITYメンバーへの質問
Q.「普段、料理で使いたいけど買えなくて困っているハーブ」、「ハーブ苗で栽培してみたいハーブ」を教えてください!
「コミュニティメンバーの皆さんの声を、今後の商品開発の参考にしたいです」と高橋さん。高橋さんが担当する沖縄エリアでは、珍しいハーブが直売所で販売されていることもあるそうです。ハーブの世界はまだまだ奥が深そうですね! これから新商品の販売も予定しているので、楽しみにしていてください。
皆さんのご回答をお待ちしております。
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投稿を表示S&Bさんは苗も販売していらっしゃるのですね。
何か育ててみたいです。
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投稿を表示ハーブ苗いいですね、料理番組でハーブをぱっと摘んで使うみたいのやりたい^^
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投稿を表示ハーブの苗まで売っているなんて驚きです。
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投稿を表示今度ハーブの苗を購入したいと思います!
大変興味深い内容でした!
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投稿を表示上級者向けのハーブってありますか?チャレンジしてみたいです。ハーブ栽培歴は10何くらいです。
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投稿を表示商品みてますよ。使っていますよ。
育て手いますよ🌿🌱🌿🌱🌿
あると嬉しくなります。これからも皆に愛される商品作り期待しております。
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投稿を表示大きめのスーパーなら取り扱っているところが多いと言う安心感があります。
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投稿を表示去年買ったバジルとパセリの種子を、今年こそはと蒔いてみました。
そろそろ植え替えようと思っています。
以前「マロー」を育てていて、青紫からピンクに変わるハーブティーを楽しんでいました。
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投稿を表示エスビーさん、ハーブ苗販売しているのですね!ホームセンターなどよく行くので探してみます😊
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投稿を表示色んなハーブのおかげで料理に幅が出てよいですね。