カレー作りに大活躍!クミンを使いこなそう
こんにちは。スパイス&ハーブマスターの遠藤です。
今回は「クミン」の豆知識や、料理が楽しくなる活用術をご紹介します。
クミンといえば、カレーを思わせるエスニックな芳香をもっており、カレー粉の香りの中心になるスパイスですね。
スパイスカレー作りにチャレンジする機会も増え、クミンを使ってみたという方も多いのではないでしょうか。
パウダーだけでなくホールスパイスも手に入りやすく、いろいろなレシピも紹介されているクミンを使いこなしてみましょう!
■スパイス&ハーブの3つの役割と基本的な楽しみ方
「香り」「色」「辛み」
スパイス&ハーブの料理における役割は「香り」「色」「辛み」の3つがあります。
その中でも一番大切なのが料理に香りを付ける役割ですが、今回ご紹介するクミンは、香りづけのスパイスの代表的な存在です。
<クミンの代表的な使い方>
・カレーに・・・スパイスカレー、ルウで作るカレーの香り付けに
・鶏肉、ラム肉に・・・チキンソテー、ラム肉のグリル、ビリヤニ、煮込み料理に
・野菜、豆に・・・サブジ、フムス、サラダドレッシング、スープに
・調味料に混ぜて・・・クミン+塩、クミン+マヨネーズなど
クミンの香りをいつもの料理に加えるだけで、エスニックな雰囲気を演出できます。
■クミンってどんな植物?
クミンはエジプト原産のセリ科の植物です。
温暖で日当たりの良い場所を好みます。
種まき後、3~4カ月で開花し、結実したあと、枯れ始めるころに刈り取ります。
乾燥させた後に脱穀して種子を取り出したものをスパイスとして利用します。
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■クミンの形状
料理用としてはシード(ホール)とパウダーが市販されており、どちらも手に入りやすいスパイスです。
●パウダー
クミンをパウダー状にしたものです。
形状が細かいので全体に均一に風味を付けたり、他のスパイスとブレンドして利用するときなどに向いています。炒める、煮込む、揚げる、漬け込むなどどんな料理法にも使いやすいです。
また粒子が細かく香り立ちが良いので、料理の最後にプラスしたり、出来上がった料理に和えたりかけたりしても利用できます。
●クミンシード(ホール)
植物を原形のままの状態で乾燥させたホール。
クミンシードは比較的やわらかくプチプチっとした食感も楽しめるため、炒め物やソテーなどにもおすすめです。
料理の最初に油に香りを移して使われる(テンパリング)ことも多いので、スタータースパイスとも呼ばれています。
【Memo】テンパリングって?
油でホールスパイスを熱することにより、香りを油に移す調理方法です。
油にスパイスの香りや辛みが広がり、料理を一段とおいしく仕上げることができます。
香りの移った油を、料理に利用するタイミングはさまざまです。
カレー作りを例にとると
1)料理の最初に使う
フライパンに油とスパイスを加えて弱火で熱します。スパイスの香りが移った油で玉ねぎなどを炒め始めます。カレー全体にスパイスの香りが漂います。
2)仕上げに使う
小さなフライパンに油とスパイスを加えて弱火で熱します。完成したカレーに熱した油をスパイスごと加えます。最後に加えるのでスパイスの香りがしっかりと感じられます。
※油を熱してからスパイスを入れる方法もありますが、慣れるまでは冷たい油から加えると安心です。
※焦げやすいのでパウダーではなくホールスパイスを利用します。
■もっと楽しむ!使い方のテクニック
<クミンを加えるタイミングを考えてみよう>
スパイスの香りは揮発性。熱を加えることで良い香りを引き出しやすくなりますが、逆に言うと加熱しすぎると香りが飛びやすくなってしまいます。
料理の中でどのくらいクミンの香りを感じたいかによって、加えるタイミングを変えてみよう!
◎加熱調理の早い段階で加える
全体にやさしくクミンの香りを感じたい時、またカレーなど具材にクミンの香りをまとわせたいときには、加熱調理の早い段階で加えるのが良いでしょう。早い段階で加えて加熱すると馴染みが良くなります。
◎料理の仕上げに加える
クミンの香りを強く感じたい時には、料理を仕上げる段階で加えるのが良いでしょう。
クミンパウダーを加えてひと煮たちさせて仕上げても良いですし、クミンシードをテンパリングして香りを引き出してから加えても良いでしょう。
カレーのレシピなどで「炒めスパイス」「煮込みスパイス」「仕上げスパイス」など何回かに分かれてスパイスを加えるものがあります。同じクミンを何度も使う場合がありますが、ホールとパウダーの違い、加えるタイミングでの香りの感じ方の違いなどを意識すると、より自分好みの料理が仕上がります。
<ローストクミンに挑戦!>
クミンを乾煎りして香りの変化を楽しんでみては?
油をひかないフライパンにクミンを入れ、弱火で1~2分じっくりと乾煎りします。
最初はクミン独特の香りの奥に草原のようなさわやかな青臭い香りがしますが、ローストすると香ばしいナッツ風の香りに変わります。焦げると苦くなるので注意が必要です。
グリーンサラダやポテトサラダに振りかけたり、カレーに加えたりして楽しんでみてはいかがでしょう。
クミンシードはローストするとカリカリになり、香りの変化に加えて食感の変化も楽しめます。
(パウダーは焦げやすいので特に注意!)
■クミンがブレンドされているミックススパイスをご紹介
クミンは様々なミックススパイスにも利用されています。
【カレー粉】 |
【チリパウダー】 |
【デュカ(ダッカ)】 |
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イギリス発祥のミックススパイス。 カレーライスはもちろん、カレーチャーハンやカレーうどんにも。 ターメリック、コリアンダー、クミン、唐辛子など20~30種類ほどがブレンドされています。 |
メキシコ風の料理、特にテクスメクス料理に活躍。 チリコンカン、チリビーンズ、タコスなどに。 唐辛子、パプリカ、オレガノ、クミン、ガーリックなどがブレンドされています。 |
北アフリカから中東地域で利用されているシーズニングです。 材料を乾煎り後、粗くつぶしていますので香ばしい味わいを楽しめます。 クミンコリアンダー、ごま、ナッツ類など数種類を組み合わせています。 |
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「赤缶」の呼び名で親しまれてきた日本のカレーのスタンダード。 30数種類のスパイス&ハーブを絶妙なバランスで調合し、こだわりの製法で仕上げています。 |
小さじ1(1.6g)に小分けされたスティックタイプ(3本入り)。 計量いらずで、いつでも開けたての香り。タコライスやメキシカンチキン2人分を作るのにちょうど良い量です。 |
デュカを参考にして作られました。ナッツの食感とクミン、コリアンダーの香りが楽しめる味わいです。 オリーブオイルと一緒にパンにつけて食べたり、肉のソテーにかけたりするのがおすすめ。 |
よくいただく質問をご紹介します。
Q1.カレーライスを作るときに加えるクミンシードの分量の目安を教えて下さい
A1.カレー4~5人前で小さじ1/2~1程度です。お好みで調整してください。
玉ねぎなどの具材を炒める前に、油とクミンシードを熱し香りを引き出してから料理を始めると良いでしょう。
いつものカレーにクミン&ガラムマサラ!|レシピ|エスビー食品株式会社 (sbfoods.co.jp)
Q2.スパイスをブレンドしてカレー粉を作るときに加えるクミン(パウダー)の分量目安を教えて下さい
A2.カレー粉ブレンドとカレーレシピの一例をご紹介します。
7種のスパイスでカレー粉を作ります。クミンパウダーは4人分に小さじ2利用しています。
スパイスで簡単チキンカレー|レシピ|エスビー食品株式会社 (sbfoods.co.jp)
Q3.テレビで「クルクミン」が紹介されていました。これはクミンの1種なのですか?
A3.クルクミンとは、ターメリック(うこん)に含まれている黄色の色素成分のことです。
セリ科のクミンとは関係がありません。
Q4海外のレシピでブラッククミンと書かれているのをみましたが、これはクミンシードを黒く焦げるまで炒めた物でしょうか?
A4.ブラッククミンとはニゲラという植物の種子を利用するスパイスで、セリ科のクミンとは別の物です。
主にヨーロッパではブラッククミン、インドではカロンジと呼ばれています。
独特の香りとスパイシーな風味をもっており、インドや中近東でよく利用されています。

※セリ科のクミンの仲間に「ブラッククミン」と呼ばれる種類のものもありますが、一般的にブラッククミンといえばニゲラを指すことが多いようです。
■クミン おもしろ情報
クミンに見た目がよく似たスパイス、キャラウェイをご存知ですか?
この2つのスパイスはしばしば混同されることがあります。
クミンの英語名は、ラテン語のクミヌム(cuminum)が起源です。
同じ語源から派生した別名にドイツ語のキュンメルがありますが、今日ではキャラウェイを指す用語になっています。そのため、クミンとキャラウェイはよく混同されているのです。
見た目も良く似ているスパイスですが、
キャラウェイシードは少し色が濃く、よく見ると三日月のように少し曲がっているのがわかります。
これらは香りも異なります。
クミンはカレーを思わせるエスニック風の香りが特徴です。
キャラウェイはすっとした爽やかさとほんのり甘い香りが特徴で、ライ麦パン、ザワークラウト、ドイツのキュンメル酒の香り付けなどに利用されています。
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クミンシード 別名:馬芹(うまぜり) |
キャラウェイシード 別名:姫茴香(ひめういきょう)、キュンメル |
■クミンを使ったレシピの投稿お待ちしています!
スパイスカレー作りに欠かせないクミンですが、ホールとパウダーの使い分けや、料理に加えるタイミングなどに注目すると楽しみが広がりますね。
ぜひ今日からクミンの香りを色々試して頂けると嬉しいです。
そして、お気に入りの1品が出来上がったら、スパイスやハーブにまつわるレシピやアイデアが集まる『フォトレポート』に投稿を。皆さんで一緒にスパイス&ハーブの楽しさをシェアしていきましょう!
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ご紹介したスパイスとハーブは、エスビー食品公式通販お届けサイトでご購入いただけます。
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投稿を表示チリパウダーもいろいろブレンドされてるものなんだな~勉強になりました
クミン、最初に入れるやり方からやってみようと思います^^
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投稿を表示大変参考になりました!
奥が深いです(^^)
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投稿を表示クミン 使いこなせるようになりたいです✨
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投稿を表示使い方のテクニック、参考になります!
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投稿を表示クミン使ったことないです!
カレーやサラダに使えるのですね😊
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投稿を表示ブラッククミンがセリ科じゃない所がわかってよかったです。
海外のブラッククミンシードオイルにオイルが取れるのと気になっていたんです。
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投稿を表示クミンについては、カレーに入っていることは知っていましたが、本記事を読んで勉強になりましたる
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投稿を表示クミンは好きでよく使います。蕪を焼いたときや、人参や紫キャベツのサラダにいれたり
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投稿を表示ホールとパウダーの使い分けは初耳でした!
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投稿を表示ラムチョップのクミン焼き、ケフタ風エスニックミートボール美味しそうです!作ってみたい。