日本のカレーやわさびが海外で人気!? 海外向け商品のマーケターが語る世界の食トレンド

こんにちは。SPICE&HERB COMMUNITY事務局です。
皆さんは、エスビー食品が海外の67の国と地域へさまざまな商品を展開していることをご存じですか? 現在、エスビー食品は海外の5カ所に営業拠点を持ち、ゴールデンカレーやチューブ入りわさび、七味唐辛子といった商品を広める活動を行っています。特に、日本でいう「おかずラー油」の海外版「UMAMI TOPPING(うまみトッピング)」は発売以降、アメリカを中心とした各国で人気を博しています。
「海外の人へ、日本の食のおいしさを届けたい」と意気込みを語るのは、マーケティング企画室 プロダクトマネージャーの眞榮城 有里(まえき・ゆり)さん。仕事柄、海外へ行くことも多いという眞榮城さんから、エスビー食品の具体的な取り組みだけでなく、カレーをはじめとした諸外国の食の傾向やトレンドについてお話を伺いました。
(プロフィール)

マーケティング企画室
プロダクトマネージャー
眞榮城 有里(まえき・ゆり)さん
2009年入社。東京や静岡エリアで小売店様への提案営業を担当した後、商品企画の部署へ異動。国内向け商品の企画職に従事した経験を活かし2023年に現職。現在はプロダクトマネージャーとして海外向け商品の戦略や新企画の立案を担当。
同じ原料を使えなくても、国内向け商品と同じおいしさを海外へ

エスビー食品では海外の販路を開拓するため、1992年にアメリカのロサンゼルスに現地法人を開設して以来、シンガポール、カナダ、アメリカ・ニュージャージー州にも営業拠点を設立。2022年にヨーロッパへの販売を強化するために、イギリスに欧州支店が開所されました。
そして2023年10月には海外向け商品をさらに強化するべく、新しく海外マーケティングチームが発足。そのマネージャーとして選ばれたのが、長年国内の商品企画に携わり、海外に住んだ経験もある眞榮城(まえき)さんでした。
眞榮城さん「海外マーケティングチームは海外事業部などと連携しながら、海外向けの輸出専用商品を企画したり商品パッケージを考えたりと、商品を世界へ送り出すための一連の業務を担う部署です。国内外にある営業拠点と連携して、現地の声や課題を踏まえながら商品企画を考えています。自ら海外へ行き、市場調査を行うこともありますよ」

現在、エスビー食品では67の国と地域へ、即席カレーやレトルトカレーをはじめ、調味料、パスタソースといった商品を海外へ展開しています。しかしほとんどの場合、国内向けの商品をそのまま海外へ展開することはできません。動物性の原料が使えないなど、輸出入において国ごとに厳しい法規制があるためです。
眞榮城さん「国内向けの商品であれば、動物性の原料を使ってコクやうまみを加えることができます。それができない海外向け商品は、代わりに別の原料を使ったりスパイスの調合を変えたりして、国内向け商品と同じおいしさを表現しているんです。ほかにも、その国ならではの食事情に合わせた商品を企画しています。例えば仏教徒の多い台湾では、『五葷(ごくん)』と呼ばれる臭いや成分の強い食材を避けるオリエンタルヴィーガンの方がいるので、にんにくやタマネギを使っていないゴールデンカレーを販売しているんです」
アメリカではおかずラー油、ベトナムではわさびがブームに!

海外向け商品として特に力を入れているのが、エスビー食品を代表する商品でもあるゴールデンカレー、チューブ調味料のわさび、海外版おかずラー油「UMAMI TOPPING(うまみトッピング)」の3種類です。国や地域によって売れ筋商品は大きく異なり、例えばベトナムではチューブ調味料のわさび、アメリカでは「UMAMI TOPPING」が人気です。
眞榮城さん「アメリカでは巻き寿司のような『すしロール』が日本食として定番化していて、現地の方はチリソースやオニオンフライなどをかけて食べていました。そこに着目し、現地法人が『UMAMI TOPPING』をかけて食べるスタイルを提案したところ、その食べ方が一気に広がったんです。一方、ベトナムではシーフードレストランが多くあることから、わさびが注目を集めています。現地のレストランへ行くと、店員さんがわさびチューブを絞って、ライムの絞り汁やしょうゆと混ぜ合わせる独自のパフォーマンスが見られますよ」

そのほか韓国や香港などの東アジアでは日本式カレーの専門店が増えるなど、近年、海外のあちこちで日本食ブームが巻き起こっています。マーケティングチームのミッションは「日本のカレーやわさびの本当のおいしさを世界へ届けること」。エスビー食品が培ってきた高い技術力が生み出す高品質で安全な商品を海外へ展開するべく、眞榮城さんの所属する海外マーケティングチームでは商品企画を通じて啓蒙活動を行っています。
日本初の国産カレー粉を作った企業としての使命感
商品の企画や戦略を練るためには、現地での調査が欠かせません。眞榮城さんは海外へ出張した折に現地のレストランを巡るうちに、日本との食文化の違いに気づきます。
なかでも、眞榮城さんにとってとりわけ強い印象として残っているのが、イギリスの日本式カレーです。イギリスは、一説によると、インドからカレーが伝わったことをきっかけに混合スパイスを発明した、カレー粉誕生の国と言われています。日本式カレーが現地で親しまれていると聞き、期待して訪れましたが、ロンドンの日本食専門店で食べたカツカレーは日本のカレーとはまったく異なるものでした。

眞榮城さん「個人的には、カレーの味に物足りなさを感じました。カレーライスというより、カツにつけて食べるソースのようなイメージ。でも、イギリスではこれが日本のカツカレーとして認識されています。日本初の国産カレー粉を作った会社として、日本式カレーをどう広めていくべきかよく考える必要があると思いました」
その第一歩として、まずは一人でも多くのお客様にエスビー食品の商品を手に取ってもらうことが大切です。そこで海外マーケティングチームでは、国ごとのパッケージデザインにも力を入れています。

例えばヨーロッパでは、黒=高貴な色というイメージがあるため、パッケージにも黒色を使って高級感を演出。親日の傾向が強い台湾では、あえて日本語の文字を入れることによって日本で作られた商品であることを強調します。

さらに各国の営業拠点では、商品の認知度アップを目指して専用の商品ページを作ったり、SNSでレシピを投稿したりとさまざまな活動を行っています。現地のお客様の視点に立って考えられたパッケージデザインは、そうした活動との相乗効果を生み、現地の営業活動を後押しします。
世界中の食卓に、自然としあわせを届けていきたい

エスビー食品では2023年2月に、新しい商品として「ゴールデンカレーレトルト プラントベースプロテイン」を発売しました。海外でプラントベース(植物由来)食品の需要が高まっていることから、プラントベースプロテインを使った商品で日本式カレーの認知度を高める狙いです。
眞榮城さん「ドイツではハム売り場と同じぐらい大きなスペースでプラントベース食材が売られていて、海外でプラントベースへの関心が高まっていると感じます。一方、アメリカでは『どんな素材が使われているかわからない』と、利用をためらう消費者も増えてきているそうです。そうした本当にナチュラルな素材を求める消費者向けに、今はきのこやこんにゃくを使った代替肉も登場しています。エスビー食品でも、ゆくゆくは日本ならではの食材を活かした商品を開発し、海外のお客様の健康をサポートできたらうれしいですね」
新しい商品を企画・販売するには、まず現在売り出している商品を確実に海外へ広め、基盤を築くことが大事です。今後は海外の市場調査により力を入れ、「ゴールデンカレーやわさびなどの主力商品を支える関連商品を強化していきたい」と最後に話してくれた眞榮城さん。
眞榮城さん「今までは食への意識や、食習慣などベースとなる市場調査しかできていませんでした。これからは企画に対して、商品のコンセプトを裏付けるような意識調査を行っていきたいですね。現地調査やウェブ調査だけでなく、お客様へのオンラインインタビューなども取り入れて、まだ海外展開していない商品のなかで海外の方のニーズにマッチするものもどんどん展開していきたいです。食に対して貪欲なところが日本の良いところだと思っているので、日本のおいしさを各国へ伝えられるよう頑張ります」

日本で海外の料理や味わいが広まって食が多様化したように、海外で日本ならではの料理が広まればより食が豊かになっていくと考えられます。「食卓に、自然としあわせを。」という企業理念を掲げるエスビー食品は、海外の方にも日本の食の魅力が伝わるよう、これからも“本物のおいしさ” を追い求め、商品づくりに励んでいきます。
眞榮城さんから、SPICE&HERB COMMUNITYメンバーへの質問
Q.「海外のお客様にもぜひ使ってもらいたい!」というおすすめのエスビー食品商品がありましたら教えてください!
気になる眞榮城さんの回答は、チューブ調味料!「実は海外ではチューブ調味料の商品展開がまだ多くないんです。日本で初めてのチューブ入り香辛料を発売した当社としては、この良さを世界にもっと広められるんじゃないかと思っています」と眞榮城さん。
チューブ調味料の便利さをぜひ海外の方にも伝えていきたいですね。皆さんのご回答をお待ちしております。
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投稿を表示イギリスのカツカレーがいまいちなんていやですね~
チューブめんたいこいいんじゃないかな
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投稿を表示私はワサビをお浸しなどに入れるのが美味しくなって好きです。
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投稿を表示この間発売されたわさびしゃぶしゃぶも美味しかったです!
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投稿を表示諸外国の食の傾向やトレンド、興味深いです!
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投稿を表示世界にはばたけ、ヱスビー食品
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投稿を表示日本の実力を見せてくれ、エスビーさん
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投稿を表示国ごとにパッケージデザインも工夫されているのですね✨
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投稿を表示チューブ調味料は便利ですよね。
その便利さ、必ず広まると思います。
各国のパッケージのお話、興味深く読みました。
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投稿を表示海外でも通用するんですね
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投稿を表示海外だと日本より、もう少し大きいサイズが良いかもしれませんね。