スーパーマーケットの売場作りの裏側とは? お客様を飽きさせない陳列を考える家庭用営業の仕事

こんにちは。SPICE&HERB COMMUNITY事務局です。
SPICE&HERB COMMUNITYメンバーの皆さんは、スパイスやハーブをほしいと思ったときにどこへ買いに行きますか? 最近ではECサイトも便利になっていますが、多くの方は近所のスーパーマーケットに出かけるのではないでしょうか。いつも何気なく見ている商品棚にエスビー食品のスパイス&ハーブが並ぶまでの道のりには、お客様に商品を届けるため日々奮闘している家庭用営業の社員たちの工夫や努力があります。
「スパイスやハーブ、カレーなどの魅力をより多くの人に伝えるのが営業の役割」と語ってくれたのは、関東・信越支店関東営業所でリーダーを務める加藤さん。毎日の業務や売場作りの秘密など、皆さんが普段何気なく目にしている商品棚の裏側を教えていただきました。
<プロフィール>

関東・信越支店 関東営業所
加藤 奨啓(かとう・しょうけい)さん
入社時から一般量販店向けの営業を担当。札幌営業所で3年、新潟営業所で5年の経験を積み、2023年4月に現部署へ異動、リーダーに就任。新商品の紹介から既存商品の販売戦略など、店舗の立地や消費者の視点を意識した提案を行っている。
目線の位置に売れ筋商品を! お客様の心理を考えた商品棚の工夫
スーパーマーケットで見かけるスパイス&ハーブの陳列棚。実はこの商品の配置には、エスビー食品の営業担当による工夫が詰まっています。小売店に対する営業を担当するのは、家庭用営業と呼ばれるポジションです。
加藤さん「家庭用営業の仕事のひとつに、『棚割(たなわり)』の提案があります。棚割とは棚に並べる商品の種類や配置を決める作業で、エスビー食品では半年に一度の頻度でスーパーマーケットの仕入れ担当者であるバイヤーさんに提案を行っています」
エスビー食品の商品は、卸売業者(問屋)を通して小売店に置かれます。そのため卸売業者への折衝も家庭用営業の大事な仕事のひとつ。基本的には卸売業者と共同して、小売店へ提案をします。

加藤さん「そのお店のお客様にどんな商品が好まれるか、どのような提案をすれば商品の魅力が伝わるかなど、卸売業者とも相談しながら提案内容を決めていきます。季節によってもお客様が求める商品は変わるため、あらゆる視点で戦略を考えることが大切です。例えば、秋冬期にはシチュールウの需要が春夏期に比べ倍ほど高くなるので商品の種類を増やしましょう、などスーパーマーケットにとってメリットとなるような提案を行います」
さらにエスビー食品では春夏期向け、秋冬期向けにそれぞれ新商品を発売するため、家庭用営業は新商品を活かしながら、お客様を飽きさせない売場の見せ方を考えます。何より棚割のレイアウトを練るうえで欠かせないのが「お客様の心理を考えること」と加藤さん。
加藤さん「例えば『アイライン』と呼ばれる目線の高さにある棚は、買い物中によく目につくので、その時に最も推したい商品を置きます。一方、商品をたくさん並べられる一番下の棚には特売品を配置するなど、棚割ひとつ取っても多くの工夫が凝らされているんですよ」

棚割を考える際のポイントとして、店舗の立地も重要です。ファミリー層向けの店舗では大箱のカレールウが売れやすかったり、30~40代の単身世帯が多い店舗ではバリーションに富んだレトルトカレーをよく手に取ってもらえたりなど、そのお店を利用するお客様によって好まれる商品は異なります。
お客様、スーパー、エスビー食品。それぞれにメリットのある提案を
家庭用営業におけるもうひとつの大きな業務は、商品をより多くの方に手に取ってもらうための販売促進(以下、販促)です。スーパーマーケットが打ち出すチラシに商品を載せてもらうよう交渉したり、野菜や肉類といった生鮮食品と一緒に購入してもらえそうな商品を提案したりなど、さまざまな仕掛けを考えます。
加藤さん「具体的には、夏にキュウリが安ければ『韓国風たたききゅうり』のシーズニングを近くに配置していただき、使い方のイメージを湧きやすくする工夫もあります。お盆の時期はそうめんが並ぶのでチューブ調味料のしょうがを置くなど、多彩な食材を販売しているというスーパーマーケットの特性を活かした戦略を考えます」

加藤さんが全てにおいて大事にしているのが「お客様にとってメリットのある提案をすること」です。エスビー食品が売り出したい商品をただ薦めるのではなく、必ずお客様やスーパーマーケットの特性、季節、世の流れ、トレンドなどあらゆる面を考慮して、お客様が必要としている商品を届けることが大事。お客様のニーズに合っていれば、自然と手に取っていただける機会が増えます。目指すは3者それぞれにメリットが生まれる“Win-win-win”の関係です。
加藤さん「世の流れを掴むためにニュースもよく見ています。今年は猛暑の影響でお米が不足し、価格が高騰しているなどの情報もあるので、9月の新米の時期はカレーよりパスタ商品が喜ばれるかも……など先々を見据えて行動しています。さらに直近では、食品の値上げが続いている影響で、価格を抑えられるPB(プライベートブランド)商品のニーズが高まっているなど、日々アンテナを高くしてニーズを掴むことが必要です」

販売実績や世の流れ、お客様の声などあらゆる情報を収集
お客様視点の提案を考えるうえで、加藤さんがもっとも苦労しているのが「商品の味を伝えること」。新しい商品が出ても、パッケージの情報だけではそのおいしさや魅力をお客様へ正確に伝えることは難しいもの。特にコロナ禍では店頭での試食販売が実施できず、大変苦労しました。
加藤さん「試食販売ができなかった間は、食べなくても味のイメージや活用度の高さが伝わるように、12種類ものメニューを載せたPOPを作成しました。さらにスーパーマーケットにもご協力いただき、売場にその商品を使った料理サンプルを置き、視覚で『おいしそう!』と思ってもらえるような工夫も。このときに提案していた商品は、チューブ調味料のきざみ青じそだったのですが、販促アイデアが功を奏したのか、当時担当していたスーパーマーケットでは発売1カ月でエスビー商品の売上No.1商品になりました」

お客様に新商品を手に取っていただけるかは、使い道を具体的にイメージできるような提案ができるかにかかっています。加藤さんは生活者目線の意見の収集も欠かせません。
加藤さん「家庭を持っている同僚とコミュニケーションを取り、リアルな生活者目線の意見をもらうようにしています。『今度こんな商品の提案をしようと考えているんだけど、どう思う?』と気軽に聞いていますね。そしてスーパーマーケットへの提案の際には、彼らから出た『使いやすかった』『おいしかった』といった声も一緒に伝えています」
「情報がとにかく重要」と話す加藤さん。同じ営業所の仲間や他メーカーの営業、ニュースなどあらゆる方向から情報を収集し、提案に活かしています。なかでも説得力のある提案を可能にしているのは、スーパーマーケットから提供してもらう販売実績のデータです。
加藤さん「データには、売れた商品の種類や個数、金額など詳細な情報がまとまっています。数年分のデータを積み重ねて、年別や月別、季節ごとに比較と分析を行い、その傾向を読み解くんです。ときには数店舗分のデータを一気に分析することも。骨が折れますが、何が売れているかをグラフで視覚的に見せられれば、小売店様にメリットを感じていただけて、提案の実現につながります」
伸びしろのある洋風スパイスの分野をさらに広げたい

販売実績のデータからも見ても、ここ数年で特に売上が伸びているのがブラックペッパーやシーズニングなどの洋風スパイスの分野です。直近10年間で約141%市場が拡大しており、さらにコロナ禍での自炊ブームを背景に、クミンやコリアンダーなどのカレーに使われるスパイスも伸びています。
加藤さん「市場が拡大しているといえど、日本は和食文化が根付いているので、世界の国々と比べると洋風スパイスの消費量がまだまだ少ないのが現状です。人口1人当たりの販売金額は、アメリカと比較すると1/8程度。まだ浸透していないスパイスもたくさんあり、伸びしろのある分野なので営業にも力が入りますね」
年2回ある提案の場以外に、スーパーマーケットの担当者が変わった際には、スパイスの勉強会も兼ねた提案を行います。スパイスについての知識を深めてもらい、より魅力を感じてほしいという思いからです。営業が講師として勉強会を行う場合のほか、スパイス&ハーブマスターの資格を持つ社員を別部署から手配することもあります。
加藤さん「エスビー商品の強みは、香辛料市場で国内No.1のシェアがあることです。他社と比較しても、品質への優位性があると考えています。ブランドの魅力を伝えつつ、ひとつでも多くの商品をスーパーマーケットに置いていただき、お客様に届けるのが営業である私たちの使命です」
「家族や友人から『エスビー食品の商品を使ったよ!』と聞くときが喜びを感じる瞬間です」と最後に話してくれた加藤さん。SPICE&HERB COMMUNITYメンバーの皆さんも、スーパーマーケットに訪れた際はぜひ調味料売場に注目してみてくださいね。
■加藤さんから、SPICE&HERB COMMUNITYメンバーへの質問
スーパーマーケットにお買い物に行く際、青果市場、水産売場、調味料売場など、どの売場を一番よく見ていますか? ぜひ教えてください!
加藤さんの回答は水産売場! 「札幌や新潟など魚介類のおいしい土地で勤務した経験から、魚が大好きになりました(笑)。仕事柄、調味料売場も気になるのですが、どんな魚介類が並んでいるのか、旬の魚は何か、水産売場もつい見てしまいますね」と加藤さん。ちなみに魚介類には、下味から仕上げまで幅広く使えるマジックソルトオリジナルがおすすめだそうです。
皆さんのご回答もお待ちしております!
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示その選んでる時が楽しいんですよね
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示戦略はいくつあっても足りないですね
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示たしかに、お店によって置いてあるものがちょっとずつ違ったりしますね。
スパイスとハーブ、少しずつ知識を深めていきたいです。
一番よく見るのはお菓子売り場です。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示目線の位置に売れ筋商品を!に納得です。
スパイスをみて、自分で気軽にチョイスして美味しい料理作れるようになったら良いな〜
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示消費者としての、何気ない行動も戦略されているんですね♪
そーなんです!近くにあると合わせて買ってみちゃいます!とかw
いつも食卓を支えてもらっています。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示一番良く見る売り場は野菜売り場です。新鮮でお買い得になっている野菜から、その日のメニューを考えます。キャベツだったらポトフや回鍋肉、大根だったらおでんです。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示瓶に入ったスパイス🧂が、ずら~っと並んでいると圧巻ですよね。
買わなくても(こらこら)知らないスパイスを眺めているだけでも幸せな気分になります。
ちょっと図書館で本📖を探している気分です🥰
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示熱い思いが伝わってきます!
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示加藤様のお仕事は営業の最前線の部署で、その部署の活躍次第で営業成績が大きく左右されるのですね!頑張って下さい。
ミュートしたユーザーの投稿です。
投稿を表示スーパーでの買い物時は、新商品を探すのも楽しいです。商品によってメーカーの強みや良さが分かり、入替え時期は安く買えてラッキーです。