スパイスの王様、こしょうを使いこなそう!
こんにちは。スパイス&ハーブマスターの遠藤です。
今回は“スパイスの王様”とも呼ばれている「こしょう」の豆知識や、料理が楽しくなる活用術をご紹介します。
下ごしらえで、調理の途中で、食卓で、とひとつの料理に何度も登場し、また世界各国の料理に幅広く利用されていることから、スパイスの王様と呼ばれているようです。
料理レシピにも“塩こしょうで下味をつける”“塩こしょうで味を調える”と書かれており、皆様にとっても非常に身近なスパイスではないでしょうか。
■スパイス&ハーブの3つの役割
「香り」「色」「辛み」
地の恵みであるスパイス&ハーブは、食卓に自然としあわせを運んでくれます。
皆様もこしょうをはじめ、バジル、ローズマリー、パクチー、シナモン、唐辛子、わさび、サフランなど、様々な種類のスパイス&ハーブを料理に合わせて使いこなしているのではないでしょうか。
まずは最初に、料理におけるスパイス&ハーブの3つの働きをご紹介します。
“香り”はすべてのスパイス&ハーブが持つ一番大切な役割です。アップルパイに甘いシナモンの香り…と聞けば、イメージがつきやすいのではないでしょうか。
そして、パエリアを黄金色に染めるなど、“色をつける”役割が2つ目。最後にこしょうやわさびなど“辛み”という役割を持つものもあります。
スパイス&ハーブはこの3つの役割を1つだけ持っているわけではありません。「香りと色」「香りと辛み」など複数の役割を担い、料理をおいしくしているのです。
例えば辛いスパイスの代表であるわさびですが、ステーキや焼き肉にわさびを合わせる食べ方に人気がありますよね。最近ではその辛みを味のアクセントに効かせるだけでなく、わさびの香りを肉に合わせて楽しむ方が増えているようです。
「香り」「色」「辛み」。この3つの役割を料理にバランスよく利用することがスパイスとハーブを上手に利用するコツです。
今回取り上げるこしょうは、この3つの役割の中でも主に「辛み」の働きを担うスパイスになります。
■ブラックペッパーとホワイトペッパーは
違う植物? 同じ植物?

こしょうといえば、よく耳にするのが、ブラックペッパーとホワイトペッパー。「これって植物の種類が違うの?」と思いきや、どちらも同じこしょうの木から収穫される果実です。違いは収穫のタイミングと製法にあります。

未熟な実を収穫し天日で果皮ごと乾燥させたものがブラックペッパーで、野性的な香りと強い辛みが特徴です。ビーフステーキ、カルボナーラなどの味の濃い料理やにおいの強い食材と相性が良いだけでなく、ハッシュドポテトのような淡白な料理のアクセントとしても用いられます。
熟した果実を水に浸して果皮を取り除いて乾燥させたものがホワイトペッパーで、白い色、マイルドな香り、強い辛みが特徴です。料理の風味や色を損なわずに辛みをつけることができるので、クリームシチューやオムレツ、白身魚のムニエルなどに利用されます。
そのほか、未熟な実を機械乾燥(または塩漬けのものもあり)させたものがグリーンペッパーです。爽やかな香りと辛みが特徴でスープのトッピングなどに使われます。
■ホール、あらびき、パウダー
粒の大きさによるこしょうの使い分け
こしょうは、粒度によって香りの感じ方などが異なります。特徴に合わせて使い分けると良いでしょう。代表的なホール(原型)、あらびき、パウダーの3つをご紹介します。

スパイス&ハーブは、植物の細胞の中に香りを蓄えています。そのため、細かく粉砕されたパウダーは香り立ちがよくなりますが、長時間加熱すると香りが飛びやすいという側面もあります。また粒子が細かいパウダーは均等に広がりやすく、辛みの感じ方が大きくなります。逆にホール(原型)は香りが飛びにくいという特性があります。
では、どのように料理によって使い分けるといいのでしょうか。
ホールは長時間煮込む&漬け込む料理に

ピクルスはクローブやローレルと一緒にビンに詰めれば、見た目も華やかに。
香りが飛びにくいホールは、長時間煮込んだり漬け込んだりする料理がおすすめです。ビーフシチュー、ポトフはもちろん、ピクルスやマリネなどに適しています。
あらびきのおすすめはカルボナーラ!調理中や下ごしらえにも

あらびきは全体にこしょうの香りを加えるだけでなく、カリっと噛んだ際に口の中に広がる新鮮な香りを楽しめるのが特徴。料理のアクセントとしても利用しやすいです。
調理中や下ごしらえに使っても便利です。おすすめ料理は、スパゲッティ カルボナーラ。あらびきこしょうの魅力を最大限に感じることができると思います。
下ごしらえや仕上げに!パウダーこしょう

粒子が細かいパウダーは、ステーキやハンバーグなどの下ごしらえなど、素材にまぶしたり練り込んだりして使うのがおすすめです。また、瞬時に香りが立つので、炒めものやラーメンなど仕上げに振りかけて使うのにも便利です。
■ほかにもたくさん!こしょうの仲間たち

(写真左から)ピリッとした辛みとほんのり甘い香りが特徴の「ヒハツ」沖縄では豚肉料理や沖縄そばの薬味にも利用され、身近なスパイスのひとつ/ウルシ科の植物の実を乾燥させた「ピンクペッパー」は、コショウとは異なる植物。辛みはなく、主にサラダなどの彩りなどに使用されます/赤いキャップと台形のビンでおなじみの「テーブルコショー」は、ブラックペッパーとホワイトペッパーを絶妙のバランスでブレンド。/フェアトレード認証製品「ORGANIC SPICE 有機ブラックペッパー」/生タイプのこしょう「粒こしょう生タイプ」。
■キッチンに揃えておきたいこしょう「基本の2本」と「上級者の1本」
「こしょうの仲間ってこんなに種類があるの?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。そこで、まずは揃えておきたいこしょうをご紹介します。
これから料理を始める方が買う最初の1本なら、ブラックペッパーのパウダーがおすすめです。野菜炒めや炒飯、パスタなど、どんな料理にも相性が良いので使いやすいです。2本目をおすすめするなら、ぜひブラックペッパーのあらびきを試してみてください。
あらびきは、粒がちょっと粗いので、料理を口の中に入れたときに、それをカリッとかむ瞬間があります。そのときのふわっと広がる香りが魅力で、個人的にもおすすめです。
ブラックペッパーのパウダーとあらびきを2本揃えておくだけでもこしょうの魅力を十分に堪能できますが、上級者におすすめなのが「ピンクペッパー」。料理がより魅力的に、おしゃれになりそうです。上述した通り、こしょうとは植物が違うため、辛みはないものの、独特の赤色で料理を美しくみせてくれます。
ピンクペッパーで料理を華やかに

おすすめはサラダや、カルパッチョ、デザートなどへのトッピングです。またカレーのライスに彩りを添えてもかわいらしく仕上がります。

■こしょうの裏技テクニックは「デザート」にひと振り
最後に裏技的使い方をご紹介!
デザートにこしょうを合わせてみましょう!
例えば、バニラアイスやチーズのデザートにぱらっとひと振りしてこしょうの香りを効かせてみましょう。ぴりっとした辛みや香りがアクセントになります。
■こしょうを使ったレシピを投稿しよう!
いつも何気なくつかっていたこしょう。いろいろな使い方や、豆知識を知るだけでアレコレ試してみたくなりませんか? ぜひ今日からこしょうの面白さを実践で深堀りしてみてくださいね。
そして、お気に入りの1品が出来上がったら、ぜひスパイスやハーブにまつわるレシピやアイデアが集まる『レシピレポート』に投稿を。みんなでスパイス&ハーブの楽しさをシェアしていきましょう!
『レシピレポート』はこちら
■スパイス&ハーブマスターから皆さまへ質問
・スパイス&ハーブを使う上で気になること、お困りごとはありますか?
・スパイス&ハーブマスターの記事で取り上げてほしいスパイス&ハーブはありますか?
・皆さんのおすすめのハーブ&スパイス料理を教えてください。
この記事のコメント欄にて教えていただけると嬉しいです。
ご紹介したスパイスとハーブは、エスビー食品公式通販お届けサイトでご購入いただけます。
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投稿を表示確かにおしゃれ
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投稿を表示ピンクペッパーは彩りなんですね、そもそもちがう植物なのかー。黒コショウは使ってますが、白コショウ使ってみたいなと思っています。
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投稿を表示新米主婦のころはこしょうさえあれば何とかなると思っていました。
でも使いこなせてはいなかったかな😅
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投稿を表示バニラアイスにぱらっとひと振り、いいですね!
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投稿を表示こしょうって万能ですよね
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投稿を表示以前何も知らずにピンクペッパーを大量に使ってしまって、家族から大ブーイングでした。
適量を適切な料理に使うことが大事ですね。。
種類別に得意分野があるようで、しれてよかったです!
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投稿を表示色々な胡椒の仲間がいるのを知れる事が出来て良かったです。
我が家はいつもテーブル胡椒でしたが他の胡椒仲間を買ってみたくなりました。
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投稿を表示知らなかったことがたくさん!
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投稿を表示バニラアイスに胡椒なんて、レストランみたいです。
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投稿を表示ピンクペッパー、初めて知りました
かわいいですね!
カレーのライスぴったり!